遊びを見付け、深める FIRE暇人、貴族、社長向けライフコーチング 川崎・J・悠太

問い合わせ先 painlessmental@gmail.com twitter https://twitter.com/meditationartYK 料金等の振込先口座(記事等が気に入ったからという理由での寄付も、ありがたいです) 三菱東京UFJ銀行 府中支店 普通 0251593     カワサキ ユウタ 銀行振込の振込明細書を領収書としてご利用ください。

コーチングについて

メールアドレス
painlessmental@gmail.com

喫煙者が私のコーチングを受ける場合、ショッピングモールの屋内喫煙所でやることにした

 そう、どこのカフェより、そしてホテルのラウンジよりも、喫煙所は静かなのだ。うるさい人が来ても、だいたい五分もあれば帰る。

 立ちっぱなしになることもあるが、思考は立ってやった方がやりやすい。

 スピリチュアル方面のワークをやる時は座った方がいいかもしれない。喫煙所に椅子が無いなら一旦、喫煙所を出ればいい。府中も国分寺もショッピングモールには椅子がある。

 もちろん、カラオケボックスでも大丈夫である。ただ、費用はそちらで出していただく。

 ちなみに、非喫煙者が私のコーチングを受ける際、とりあえず私は煙草を吸わないことにしている。完全禁煙の店で大丈夫。

というわけで、よろしく。

painlessmental@gmail.com

「川崎みたいになりたくない人」ほど、私のコーチングを受けてほしい。

 「川崎みたいになりたくない」と言っていると、川崎みたいになってしまう。よくある話だ。あなたも身に覚えがあるだろう。

 ぜひ、私の思考回路を学んで、華麗に回避してほしい。私のブログを読みに来てしまうアンチなら尚更だ。

 今回の募集は通話とメールのみになるが、
「川崎みたいになりたくないから5万円払う!」というタイトルでメールを送っていただければ3時間通話でのコーチングを行う。私の思考回路がどうなってるのか、解説しつつ質問に答える。
 
 3時間じゃ足りないと思う人、1時間で十分な人は別途ご連絡を。

申し込みメールアドレス
painlessmental@gmail.com


 「川崎みたいになりたい」と思うような変人については、予算を書いた上でメールを。半年コースとかはダルいので、8時間ぶっ通しで潜在意識と顕在意識の両方を書き換えまくろうと思う。こちらは対面も可。

「自分自身を楽しませる」ためのコーチング 11月5日までの振り込みで4時間3万円

社会貢献のことばかり考えていると、「自分への貢献」のことをすっかり忘れる。

あなたの心の中に「子供としてのあなた」はまだいるだろうか?いるならば、ぜひ楽しませてあげてほしい。そのための方法を授ける。

社会的にしっかりしている人ほど、この感覚を忘れると「人生がつまらない」と言いがちである。いないなら、ぜひ、私が救出したい。

「アイディアを出すのが下手だと職務上困る人」や、「これから企業する人」も、ぜひ受講してほしい。アイディアと楽しいは地続きである。

「内容に興味は無いが、私に確実に会いたい人」も受講可。その場合、何をやるかはその場で決める。

4時間3万円。場所は東京都の府中駅または国分寺駅(どちらか選んでほしい)。それか、音声通話にて。通話の場合はプラス1時間。

特典として、メールサポート無制限。

申し込み&サポート用メールアドレス
painlessmental@gmail.com

百合小説 『瑚』 (公開執筆中(つまり、順次更新中))

 当時の私は、瑚子さんを警戒していた。母が心を許せる唯一の相手が、瑚子さんだった。父の前では決して見せない顔を、母は瑚子さんの前では見せていた。
 瑚子さんは、私の名前の元になった人でもあった。"瑚"という字は、宝物を意味するらしい。そして、母にとっての宝物は、瑚子さんだった。

 大事にしてほしかった。それでも、私は私でしかなかった。母の宝物には、なれなかった。

 それが、私。

 
 瑚子さんは、こんな私に優しくしてくれた。何のつもりだろうかと思った。親友の娘だからだろうか。それとも、奪われた者への哀れみだろうか。

 今思えば、同じ傷を抱えていたのかもしれない。

§ 

 ある日、瑚子さんと私だけで喫茶店に行った。いつのことかは忘れてしまったが、今では絶滅危惧種となった、純喫茶と名乗る店に行ったということは覚えている。何故、純喫茶を選んだのかはわからない。

 日記でもつけておけばよかったなどと思っても手遅れである。手遅れだから、いや、手遅れだからこそ、私は今、ここに記しているのかもしれない。日記でもなんでもなくなってしまったが、忘れてしまう前に書いておきたい。


 あの日の私は、母と父、そして私の関係について瑚子さんに相談していた。いや、違った。優しく接してくれる人の本性を暴こうとしていた。

 人が人を試す時、同時に、人は人に試されている。私はその日、傷を見せ付けられた。瑚子さんの古傷と、私の傷。そして、それを思い返す私が、新たに作った傷。未来と過去が、傷によって繋がる。

 「莉瑚ちゃんは、お母さんのことは嫌いなの?」
「嫌い」 
「じゃあ、いなくなればいいと思う?そうなったら、私は悲しいけれど、莉瑚ちゃんはどう?」
「困る」
そんな会話だったと思う。何を言うんだろうと思った。そして、もし、その困る事態になっても、瑚子さんが助けてくれるなら別に良い、とも思っていたような気がする。本当に助けてもらえるのか、確かめていた。

 今思うと、親友が家庭で上手く行っていないということを、その親友の娘から聞くという、中々に重々しい状況であった。もし私が同じ状況に立ったら......。想像したくない。

 しばらく続いた沈黙が、あの時の私の人生を示していた。結局、私は誰のことも信じられないし、信じてもらうことも無いのだなと、あの時の私は感じていた。それでも、瑚子さんは、何かあったら連絡してほしいと言った。

 その何週間か後、何かあった。私が寂しさからか、私のことを好きになった男と付き合うことにした頃。
 
§  
 
 私の最初の彼氏。思い出したくもないが、あいつは私のことを……。何をどうやったら、あんなふうに人にさわることができるのだろう。とにかく、嫌だった。別れる時、殴られた。痛かった。5歳の頃の私が捨てたあの人形も、あんな気分だったのだろう。

 殴られた三日後、そのことを瑚子さんに言った。この前の純喫茶で。瑚子さんは私よりも怒っていた。なんで瑚子さんが怒るんだろう。当時の私には、わからなかった。
 
 店を出た直後、頭を撫でられた。心の中まで丁寧に撫でられているかのような柔らかい手の感触。人生で初めて、私がこの世にいていい存在なのだと思えた。

§
 
 あの時から徐々に、瑚子さんのことを考える時間が多くなった。どんな人生を歩んできて、今までにどんな恋人がいて、とか、色々と考えていた。それでも、いつかは裏切られるんだろうと思っていた。

 そして、裏切られた後の私がどうなってしまうのかを考えるようになった。
 
§

 人を信じるということ。裏切られるということ。このふたつのことをよく考える。私が人を裏切る日は来るのだろうか。そもそも、誰かが私を信じることはあるのだろうか。瑚子さんは......。

§

 そういえば、父はよくわからない人だった。今となっては、更にわからない。何故、母と結婚することになったのだろう。瑚子さんはたぶん、私の両親の結婚式に行っている。写真は残っているのだろうか。たぶん、無いだろうな。

§

 夢に瑚子さんが出てきた。恋人として一緒に1日を過ごす夢。ずっと前から瑚子さんと恋人だったかのような息遣い。瑚子さんの膝で寝るよりも、私の膝の上に瑚子さんがいる方がドキドキする。好き。幸せな時間。
 一緒に布団に入って、明日は何をするか話して、眠くなって寝た。そして、目が覚めたら、私は私に戻っていた。明日の約束というものは、果たされないものである。虚しい。
 初めての彼氏の一件の頃の私も、似たような夢を見ていたことを思い出した。こっちの世界を捨てて、瑚子さんの恋人をやっているあの世界に帰りたいと思う。

 しかしながら、人生はそう都合良く行くものではない。時々、都合良い人生を歩む人もいるらしいけど。

§

 何を書けばいいのか、思い出せなくなってしまった。正確には、思い出したら今を生きるのをやめてしまいたくなるから、思い出したくないのかもしれない。ただ、瑚子さんと過ごした記憶を書いておかないと、未来の私が困る気がしている。あの時も、何かするべきだったんだ。

§
 
 また、夢を見た。瑚子さんが中学生くらいで、私も、同じくらい。瑚子さんが私の膝の上で気持ちよさそうに寝ている。瑚子さんの頭の重さを感じる。頭を撫でてみた。きれいな髪。ずっと、触っていたい。今だけは私だけのもの。そうしているうちに、眠くなった……。

 あ、しまった。と思って起きて、仕方無く、これを書いている。文章を書いて読み返してみて、感覚が蘇る。そういえば、母に写真を見せてもらったことがあった。夢は記憶を合成したものだと言われているが、その写真と同じ顔だった。もしかしたら、「その時の母と入れ替わりたい」という願いが叶ったのかもしれない。しかしながら、短い時間で終わってしまった。今の人生を、辞めてしまいたい。

§
 
 あの夢を見てから、暇さえあればずっと寝ている。私が歩みたかった人生を、夢という形でなら見ることができる。しかしながら、良い夢を見ることができない。宇宙人に連れ去られた夢は面白かった。そのくらいだろうか。
 「思い出す」という行為の虚しさを痛感している。そこに体感は無い。だから、書きたくても書けない。否、もう書きたくない。しかしながら、書くしかない。書かないと、過去は過去として、流れ去ってしまう。

§
 街角で綺麗な女性に、「タイムマシンが完成したら、どうしますか?」と訊かれた。私は結局、答えられなかった。答えたら、すべてが壊れてしまう気がして。

§
 知らない女との情事の夢。つまらなかった。

§
 なんということだ。瑚子さんが書いた記事を見付けてしまった。20歳の時に書いた記事だという。「劣等感まみれで生きてきたが、そのおかげで今がある」という内容。
 そんなこと言ったら、私はどうなってしまうのだろうか、という気分になった。それでも、瑚子さんの謎がひとつ解けた。瑚子さんはやっぱり、同じ傷を抱えていたのだ。そう、きっと。
 
 私には瑚子さんという逃げ道があったから、無能なまま、無能として生きてきた。そんな気がする。それでも、人生は人生なんだなって思った。さて、お酒飲もうかな。

§

 昨日の私がお酒飲もうかなと書いて、数少ない友人の望帆ちゃんと飲み始めて数分経ったところまでは覚えている。覚えているのだが、その後の記憶が無い。部屋が荒れている……。何したっけ……。

§
 望帆ちゃんは怒っていた。「私の初めてを奪っておいて覚えていないのか」、と。なんのことなんだ。そういえば、ベッドから望帆ちゃんの匂いがする……。そういうことなのか?いや、でも、まさか私が。
 それはそうと、瑚子さんって良い匂いだったなぁ。あれ?記憶が出てきた。なにこれ。


§
 出てきた記憶。書けない。これは、書いちゃいけない。でも何か書きたいから書く。
 
§
 そう書いた私は、全力で逃げた。記憶からも、私からも。


§
 過去の自分。未来の自分。今の自分。それぞれ、違う自分のような気がしている。20歳の頃の瑚子さんは、傷と向き合っていた。私は、ここまで、向き合わずに来てしまった。
 未来の私は、この傷を、どういうものとして見ているのだろうか。

§
 占いを受けた日のことを思い出した。あの占い師の占いは、よく当たった。しかしながら、インチキだった。通っていた小説教室の先生だったのだから、色々と知っていて当然である。最後の最後で、そのインチキを明かされた。声が違うだけで、あんなに印象って違うんだな。前はボイストレーナーをやっていたとか言ってたっけ。うーん、何者なんだあのひとは。

 うーん、色々と恥ずかしくなってきた。筒抜けじゃないの。思い出して気付くってのも、遅いし。でも、理解がある人でよかったな。ありすぎて気持ち悪いくらいだけど。そういえば、あの先生は女と女の恋愛を小説にしているんだった。もはや、それしか書かない。あの先生、やってきた恋愛が滅茶苦茶だったとか言ってたなぁ。うーん。

 「本当は女として女と恋愛したかったけど、まあ、男に生まれたことだし、まあ、そうね、客観的に女と女を眺めることができてよかったかなぁ。あー、でもなぁ……。なんというかさー、男ってだけで警戒されるしー……。」と、授業の時に、うだうだ言ってたのを思い出した。警戒されるのは、その見た目のせいだと思う。あと、笑い過ぎ。なんで、自分が言ったことに笑えるんだろう。馬鹿みたい。
  
 あの時の先生だと知らずに「女と恋愛したい。それも、近くにいる素敵な人と」と私が言った時、占い師としてのあいつはとても嬉しそうにしていた。お前のためにやってるんじゃないのに。

§
 などと書いた翌日、久々の再会。あいつ曰く、「ちょうど会いたかったんだよねー。」とのこと。知るか。しかしながら、いつもの喫茶店に行くこととなった。
 そこで恐ろしいことを知ることとなった。この胡散臭い奴は、20歳当時の瑚子さんのことを知っているという。なんということだ。早く言えよ。いや、「え?君、瑚子さんと関係あるの?」と言ってたし、私が言わなかったのもあるか。でも、これでインチキ占い師がインチキ占い師であることがハッキリした。占い師なら、そんくらいわかるはずだから。 
 
 瑚子さんはやっぱり、私が思っている瑚子さんとは違うらしい。朝起きたら3限だった話とか、本当にずっとTwitterやってたとか、色々と教えてくれた。今のTwitterと当時のTwitterが全然違うことも。それにしても、なんでそんなに嬉しそうなんだ。気持ち悪い。
 
 そして、「瑚子さんと結ばれるのが難しいなら、とりあえず、他の女食っちゃえば?」などとも言ってきた。なんだこいつは、と思いつつ、既に食っていることを思い出した。覚えてないけど。とりあえず、望帆ちゃんでいいか。
 などと考えていたら、「あっ、狙えそうな子いるんだ。よかったね。」と言い出した。そこだけ読み取るな、気持ち悪い。
 うっかり口から出てしまったが、奴は笑っていた。マゾヒストなのだろうか。

 そして、奴が別れ際に、「本当に目指すべきものを諦めないように。意外と、どうにかなるものだから。特に、君みたいな女はね。」と言って、上機嫌なまま帰っていった。気持ち悪い。


§
 「言い忘れていた。瑚子さんは女と恋愛をする気は無いそうだ。君が何かを捻じ曲げるしか無い。まあ、違う女で満たそうとして、それで物足りなかったら狙えばいいさ。やはり、練習量が物を言う。ただ、丁寧にやらないと意味は無いが。そういえば、百人斬りしたのに下手だった女がいたなぁ。懐かしい。」
翌日に書店で遭遇した際、この長い台詞を口に出していた。昨日から言う練習をしていたのだろうか。そうだとすると、何故私のことを考えているのだろうか。
「あのねぇ、私のこと、どうしたいわけ?」
「女と女の面白い話が聞ければなんでもいいよ。君はまさに、その面白い要素を持っている。」と奴は、これから何やら面白い映画が始まる時のような表情で言った。そして、こう続けた。

 「君がやるべきことは、相手がこの世に存在している意義を肯定すること。生きててよかったという感覚を感じさせること。そして、快楽の沼に落とすこと。快楽の沼を心地良い空間に保つこと。ただただ、それだけ。実験台がいるなら、まずは実験台にやってみてほしい。」
 これを聞いて私が思ったことは、「こいつはこれまでの人生で何をしてきたんだろうか」ということ。やっぱり、あまり関わってはいけない人物なのかもしれない。

 
§
 
 最悪だ。何故だ。何故私のもとからあの女は離れない。何故、踏まれて喜ぶんだ。何故、出血して喜ぶんだ。「莉瑚ちゃんのためなら何でもする」と言っていたから、家に帰っていただくように指示したら、本当に帰ってしまった。まあ、邪魔だったからいいや。とりあえず、瑚子さんのことを思い出そう。
 と思ったら、あいつの言葉がフラッシュバックする。ちょうど、少し前に書いたことだ。もしかしたら、私も望帆も、「この世に存在している意義」を探しているのかもしれない。そういえば、あいつ自身はその問題をどうしたんだ?訊いてみよう。



 少しだけ、莉瑚に代わってこの文を書くことになった。やれやれ。僕はマールボロに火を点けた。
 莉瑚は僕の最高の教え子である。なんといっても、こんなに面白い話を持ってきてくれるのだから。読んでみて、直したいところはいくらでもあった。いくらでもとか、そういう次元ではない。しかしまあ、大事なのは内容なのだ。少なくとも、僕にとっては。 
 
 女と男、女と女、そして、男と女。この3つはいずれも違う。僕はただ、添え物でありたいのだ。あるいは、女になってしまえばいいのだが、そう簡単な問題ではない。身体の方を改造しても、「男でなくなる」だけである。しかも、僕は「自分の心と身体両方が女ではないこと」を熟知している。そう、性別違和などは別に存在しないのだ。そこにあるのは、憧れだけである。

 ただ他方で、ある種の同族嫌悪も、そこにはあるかもしれない。

 さて、本題。人生には超えるべき山がある。しかしながら、その山は遠くから見た方が良い場合もある。高くて綺麗な山ほど、登る人間が多いからゴミが落ちている。誰が片付けるのか、という話だ。登りづらい山ほど、片付けが大変なのだ。

 山はいくらでもある。しかしながら、登りたくなったら仕方が無い。人生とは、ある意味でそういうものだ。

 それはそうと、「気持ち悪い」と思う相手ほど、自らの人生に濃く根深く影響を与えるものなんだよね。よくもわるくも。

そういえば、みほちゃんの字、望帆って書くんだね。うーん、よみづらいけど良い名前だなぁ。



 はぁ、本題が一番意味わからないっての。やっぱりあいつは、気持ち悪い。

§

 望帆から連絡が来た。メチャクチャにしてほしいとのことだ。「既にメチャクチャだよ、お前は」と送ったら、「もっと」と返ってきた。はぁ。あのインチキ占い師に押し付けるか。

§
 奴は抹茶ラテ、私はブレンドティーを注文した。いつもとは、違う店。
 「すると、君は沼の底まで沈めるかのように依存させた女を僕に押し付けたいと。」奴は欲しかった玩具を買ってもらえた子供のような満面の笑みで言った。
「他にある?」私がいつものように棘のある声で言う。あの時の私は、特に機嫌が悪かった。
「それはつまらない。僕は女同士が見たいだけだ。あ、そうだ。君らがヤッてるところを見たいんだ。目の前で。それがいい。そうしよう。」
「嫌に決まってるじゃん。アンタに裸を見せるなんて。」勿論嫌だ。絶対に嫌だ。
「君は全く脱がなくていい。脱ぐのはその子だけで十分。どうせ、君が攻めなんだろう?」
「そうだけど……。」何故知ってる。
「何故かって、受けの側が依存させるって、よっぽど良い声とか、よっぽど触り心地が良いとかじゃないとありえないから。君の声も魅力的ではあるけど、依存とは違うんだよね。たとえるなら、うーん……。」
「たとえなくていいから。そうじゃなくてさ、なんで私の心の中が読めるの?」
 奴はずっと考え込んだ。あれ、まつ毛、長いんだ……。

 「言ってしまえば、僕の経験則かな。ただ、それだけ。僕はたくさんの過ちを犯してきた。過ちを犯して反省するのも大事だけど、それだけだと、ある種勿体無い。何かしら得たものはあったはずだから。そして、恩であったり、得たものは、どこか違うところに送るものだからね。本人に返しても、本人にとっては当たり前のことだから。」
 良いことを言っている……のか?
 「まあ、僕は結局、僕でしかないんだ。残念ながらね。」
「だからなんだよ……。」
「特に無いよ。ま、そんなわけで、今日大丈夫?望帆ちゃんは呼べばどうせ来るだろうけど、君の都合は。」ウキウキしてやがる。
「そもそも、承諾してないんだけど。」
 奴は考え込んだ後、こう言った。
 「瑚子さんを”攻略”したいなら、君が持ってる技を見ておく必要があるんだけどね。」
「いいよ、しなくて。アンタに頼ってできたとしても、何ひとつ嬉しくない。」
 奴は笑った。そして、言った。「やっぱり君は、最高だ」と。
 そして、奴に望帆の連絡先を押し付け、ブランデーを買って帰宅した。あれ?私はなんで、ブランデーを飲み始めたんだっけ?

§

 ふと気付く。奴は、「この世に存在している意義」に答えていない。それが訊きたくて、奴に文章を書かせたというのに。また、訊かなくてはならない。

§

 いつもの喫茶店。いつものメニュー。
 「ああ、それね。快楽のためだよ。他に何があるの?」奴はこう言った。そしてこう続けた。
「人間ってさ、快楽を飼い慣らすことに成功した唯一の動物なんだよね。まあ、制御しきれてない奴もいるけど。昔の俺もそうかな。でさー、哲学とかその辺やってる時に感じる快楽って凄いのよ。神の声が聞こえる時もあって、あの快楽は凄くて……。」
 と、こんなことを言っていたような気がするが、あまりに長くて途中から聞くのをやめていたからここに記せない。ただ、覚えているのは、
 「越せないと思い込んでいる山を越す手段を思い付いた時に感じるあの感覚。あのために生きている。」という言葉。これは深く私の中に残った。何故だろう。

 「そういえば、望帆ちゃん、相当凄いことになったよ。今度、密室で会ってみて。」と奴は言った。

 嫌な予感しかしない。

§
 書きたくない出来事が起きた。私は私を辞める。そう記しておく。奴のせいだ。全部、奴のせいだ。


§

 「責任取れ、ねぇ……。僕、実は既婚者なんだよね。ごめん。あ、でも、僕の素敵な妻が君のことを食べてくれるよ。大丈夫だ…」
「そんなこと言ってない。望帆だ望帆。望帆に何した?」
「あー……。えーっと、僕の技を味わってもらった後に、その技の解説をした。え?もしかして、凄く良かったの?あの子の技。」
「……。そうだよ……。」
「あー、僕はやっぱり、教えるのも上手いのか……。はぁ、罪な能力を持ってしまったな。この技教えるの、はじめてなんだけどなぁ。」
「ってか、望帆に何したのよ。何?あんたと間接的にでも何かしたってこと?気持ち悪い。」
「指だけで、しかも、ゴム手袋をした上でやったけど……。それでも嫌?」
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。  ……。トイレ行ってくる。吐いてくる。」

 と、こんな会話をした気がする。やっぱりあいつは、最低だ。早くこの世から去ってほしい。いくら謝っても無駄だ。私の人生をメチャクチャにしやがって。なんで私が。なんで私が。なんで私が。

 一瞬、鏡に映る私が見えた。もう一度覗き込んだ。この顔の私なら、好きかもしれない。私が私を嫌いだったのは、感情を亡きものにしていたからかもしれない。哀しみも憎しみも、怒りも苦しみも、そして、恨みも。全部、私なんだ。私はやっと、私になれたんだ。


§

 久々に丸一日寝た。また、寝る。

§

 望帆から連絡が来てた。はぁ、無視しよ。寝る。

§

 瑚子さんが夢に出てきた。80歳くらいの姿だろうか。綺麗なおばあちゃん。私の姿は今のまま。頭を撫でられて、やっと、救われた気分になった。でも、うたた寝して、起きたら……。また寝る。

§
 どこか目線の強い女性。誰かに似ている。誰だろうか。まつ毛が長い。
そんな女性に襲われた夢だった。快楽に浸り、「生きる意味」とやらが見えた気がする。それでもどこか、「嘘」があったような気がする。何故だろう。
 「夢が覚めたらわかるよ」と、その女性は言った。その時に気付いた。あいつだと。
 あいつが男だから嫌なのか、それとも、あいつの性根が嫌なのか。それがその夢で気付いた気がする。あいつもあいつで、闇を抱えている。

 それでも、あいつを許したわけではない。

§

 夕方目が冷めたら、隣に望帆がいた。私もあいつも全裸だった。怖かった。

 「えへへー。ピッキングしちゃったー。」などと、気の抜けた声で言っていた。髪の毛を掴んで、引っ張った。痛がりつつも喜んでやがる。引きちぎるか、根っこから抜いてやろうかと思ったが、思ったより頑丈だった。諦めた。

 「連絡無いから、心配したんだよ?」とあいつは言った。
「もう縁を切りたいから連絡しなかった」と言うと、耳を舐められた。水音が響く。抵抗するだけの力を全て奪われて、結局……。ここからはもう書かない。

§
 一週間くらい、夢なんだかよくわからなかった日々を過ごしていた。ああ、夢ならいいのに。

§

 あいつって書いたけど、どっちのことだかわかんないな。まあいいや、どっちもクソはクソだ。いや、よくない。それって、あのクソ野郎に犯されてるってことじゃ……。もう、死にたい。
 あの女が、「髪の洗い方は先生直伝なの」と言ったのを思い出して、丸刈りにでもしてみたくなった。しかしながら、毛根を消すことはできない。

 いや、もう、いいかな。次にあいつらのうちのどちらかが来る前に、私はこの世を去ることにしよう。これ以上、あいつらに苦しめられたくない。

 サヨナラ、現世。こんにちは、来世。あるいは、別の世界。地獄でも、こんなにつらい世界ではないはずだ。

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 「おはよー。朝ご飯作ったよ。」
瑚子さんの声が聞こえた。「おはよー。」と私も返す。ああ、とんでもない悪夢を見ていた。あんな長い悪夢が存在するのか。あー、ビックリ。夢の最後で切腹って、よっぽどでしょ。刺さる瞬間に目が覚めたんだよ?あー、大丈夫かな、私。夢診断だとなんだったっけ、切腹。ま、いいや。瑚子さんに抱き着こう。
  
 今日の朝ご飯も美味しかった。あれ?昨日の朝ご飯はなんだったんだっけ?思い出せない。まあ、いいか。あー、瑚子さんに抱き着くと落ち着くんだよなー。

 はー、人生幸せ。



 どーしよどーしよ。夢が叶っちゃった。そのまま死んじゃいたいくらい幸せだった。でも、明日はもっと幸せ。



君と出会う前の あの日の 僕は偽りの世界-記憶-に
奪われた宇宙観-世界観- 全てをあの日破壊-リセット-した 
傍にあった幸せは 僕を縛り付けていた
創り出すよ新しい未来-自分-を そう君となら きっと

 好きな曲のサビの歌詞。なんで、世界を記憶と、未来を自分と読ませたりするんだろう?この作詞家さん、謎だなぁ。もっと深く知ってみたい。でもなぁ、情報が表に出てこないんだよなぁ。たぶん、女性だろうな。ペンネームは男性っぽいけど、それなら、たぶん表に出てきてインタビューとか受けるだろうから。

 でも、何かを隠さないといけないような事情があるのだろう。昔、犯罪でもやったのかなぁ。うーん。会ってはいけない種類の人なんだろうな。まあ、私には瑚子さんがいるし、いいや。瑚子さんがいるのに、他の人に会っちゃいけない。せっかく瑚子さんが居心地の良い空間を作ってくれてるのに、外になんて出ちゃいけない。外に出ちゃダメって瑚子さんが言ってくれるんだし、瑚子さんの匂いがするベットにずっといよう。



 瑚子さんは、とってもキス上手なんだよ。でも、他の人はその感触を一生知らない。元彼だか元カノだかはたくさんいるんだろうけど、今は独り占め。うれしい。



 瑚子さんの髪の触り心地、最高。ずっと触っていたい。瑚子さんがもし先に死んじゃったら、髪だけでも取っておきたいな。でも、最後は一緒に死にたい。



 おねしょをしてしまった。瑚子さんは黙って片付けてくれた。お母さんだったら、すっごく怒ったのに。優しい人と同居できてよかった。あれ?お母さんって、どんな人だっけ?どんな顔だっけ?



 やることが無い。瑚子さんが仕事に行ってる間、何もすることが無い。瑚子さんが時々篭もる部屋は、鍵が掛かっている。
 
 そういえば、お腹の傷が時々痛む。瑚子さんによれば、人に刺された時にできた傷らしい。その時に頭も殴られていて、それで記憶が抜け落ちているのだとか。奇跡の生還だったらしい。
 私は、どんな人に刺されたのだろう?


 ひざまくら。うれしい。


 一緒にお風呂。添い寝。うれしい。肌が綺麗って褒められた。瑚子さんの肌も綺麗なんだよ。大好き。


 おかしい。瑚子さんがぐったりしてる。私のひざまくらで寝てもらったけど、あんまり休めてなさそう。肩をもんだら、喜ばれた。私のひざまくらは、嬉しくなかったんだな。残念。何をやったら、よろこんでくれるかな。


 あの長い夢が、夢でなかったような感触がする。傷がそう言っている。でも、それなら誰が。

 怖いから、瑚子さんに抱き着いた。疲れてるのに、ごめんね。
 

 目が覚めたら、隣に瑚子さんがいる。今日は、瑚子さんが一日中空いてる日。お仕事の日以外は、ずっと家にいる。どこか行きたいところは無いのだろうか。一緒にどこかに行きたい。でも、私を外に出したくないみたい。なんでだろう。なんでだろう。なんでだろう。


 瑚子さんがどうやったら喜ぶのか、サッパリわからない。どうしよう。


 瑚子さんが出掛けた後、あれこれと探してみた。今日は秘密の部屋の鍵が空いている。開けてみた。
ここから先のことは、書かない。あれが夢でなかったことだけ、わかった。つらい。


 あの時の私と、今の私が、繋がってしまった。問題は、どうやって、「私が気付いてしまったこと」を、瑚子さんに隠し通すか。無理だ。窓に映る私の顔が、変わった。

 どうしよう。

§

 瑚子さんが帰ってくるなり、抱き着いた。離したくないし、離せなかった。そして、何かを察した顔をしていた。バレていないだろうか。何を察したのだろうか。
 そして、キスの味が苦かった。ごめんなさい。でも、私はどうにもできない。瑚子さんを解放してしまったら、私はもう生きていけない。人生を辞めないといけない。今度こそ、本当に死んでしまうだろう。私はそれでも良いけれど、瑚子さんはたぶん困る。
 瑚子さんに罪悪感を感じさせず、なおかつ、瑚子さんを解放し、そして、私が生き残る。その道を辿るためには、私は私の中の何かを変えないといけない。今の私には無理な話だし、未来の自分にもたぶんできないだろう。それができるなら、こんなことにはなっていない。

 私が持っていた望みを叶える方法が、死にかけることだった。それ以外に方法が存在しなかった。意図していないとは言えど、瑚子さんの罪悪感に付け込むようなことをしてしまった。

 私は結局、私でしかない。


§

 瑚子さんは、あのインチキ占い師が書いていた文章も持っていた。私とのやり取りを記録しておいた文章。懐かしく思うと同時に、その過去を消してしまいたい。奴が本当に悪人だったのか、私にはわからない。それでも、早く諦めるように奴が言ってくれていれば、こんなことにはなっていない。間違い無く。
 罪悪感を消せるならどうするか。何をするか。そして、何をしたいのか。この手の話を、奴が小説の授業という体で話していたのを思い出した。やっぱり、私には何もわからない。奴もたぶんわかっていない。わかっていないことをさもわかったかのように話す。それが奴だ。

 小説家というのは、そういう人種だ。

 奴は、「わかったと思った時が一番わからなくなっている時だ」とも言っていた。それでも、わかろうとするのを辞めるのはよくないことだろう。しかしながら、私もまた、わかろうとするのを辞めようとしている。私も奴も、きっと同じ。いや、奴は……。


§

 瑚子さんの下着を漁っていた。ここを出るとしたら、少しは持っていきたい。一番安いのは、どれだろう。そう思いながら、3枚くらい。畳みながら、こんなに丁寧に私が動けるのかと、驚いた。どれが安いのかはわからなかったから、古くなっているものを選んだ。どうせ、捨てられてしまうのだからと、自分に言い聞かせながら。

§

 この文章、瑚子さんに読まれたらどうしよう。

§

 瑚子さんの怯える顔、かわいい。そう思いながら、快楽に浸っていた。悪いことをしたとは思っている。でも、フェードアウトなんてしたくなかった。瑚子さんの中に何かを遺したい。私が生きているうちに。
 この記憶が消えるとしたら。いつだろう?

§

 なんで瑚子さんが、母の親友なのだろう。

§

 数日間、瑚子さんとの会話は、どこか他人事のようだった。お互いに、新しい傷を作った。お揃い。

§

 心中。美しいなぁ。私も瑚子さんと心中したいけど、でもなぁ。迷惑だよなぁ。どうやったら、愛してもらえるんだろう。

§

 瑚子さんと離れた後の人生を想像してみる。そういえば私、一回切腹してるんだよな。刃物を手に取ったところまでは覚えている。いや、最近思い出した。あの時に死んじゃえばよかったのに、助かって、そして、瑚子さんとの同居が始まって。たくさんキスして、たくさん抱きしめてもらって。指を挿れてもらって。挿れた時のことは……。無かったことにしたいけど、もう一度やりたい。

§

 なんで、同居してくれているんだろう。最初のうちは、たぶん罪悪感とかそういうのだと思う。でも、なんで今も。
 私が瑚子さんの前でまた切腹したら、なんて言うんだろう。嫌だ。


§

 瑚子さんが、目を合せてくれない。

§

 瑚子さんが、目を合せてくれてくれた。嬉しい。

§
 
 瑚子さん大好き。

§

 この文章、見られてる。わかっちゃった。抱き締めてもらえたから、いい。よくないけど。

§

 瑚子さん、ごめんね。

§

 奴らの言葉を思い出した。私が求められてる場所もあるんだなって思うけど、そんなの嬉しくない。瑚子さん以外のものが、全部邪魔に見える。瑚子さんが大事にしてるマグカップすら、私の敵。でも、瑚子さんが悲しむから、割ったりしない。私、偉い子。

§

 ”傍にあった幸せは 僕を縛り付けていた”だっけ。あの曲。はぁ。酷いこと言うもんだな。私はもうやだ。わかってるよ。傍にある幸せが作り物だって。哀れみでできた偽物だって。愛されていないんだって。こんな子と一緒にいたくなんてないんだって。
 
 私は結局、私でしかない。私だもん。私。もう嫌だ。

§

 瑚子さん、勘が鋭い。「私のこと、好きにして」だってさ。そういうのがもう、嫌なの。求められたいの。そして、嫌なのに、甘えちゃう私が嫌なの。
 
 瑚子さんの中に快楽があるのも知ってる。知ってるよ。見りゃ解るよ。なんだっけ、ミホとかいう奴と同じ顔してるから。だけど、違うんでしょ。そんな表向きのモノを追い掛けてるんじゃない。本当の意味で愛し合いたいんだって。

 無理だな。私だもん。


§

 瑚子さんがこれを読んでるの、忘れてた。泣いてた。ごめんね。ごめんってば。許してよ。

 許されるわけ無いか。私は、私でしかないから。


§

 瑚子さん以外の人を好きになれたら、ラクになれるんだろうな。でも、そんなの嫌だ。絶対に。


§

 瑚子さんから女性を紹介された。お相手してみたけど、つまんなかった。気持ち良いだけなら、ミホとかいうクソ女でいいんだって。でも、気持ち良かった。快楽は凄かった。でも、違う。違う。絶対に、違う。


§

 瑚子さんが見てるんだし、瑚子さんに向けて書こう。と思ったけど、好きしか言えない。大好きだし愛してるし、一緒にいたい。あとは、なんだろう。ごめんなさい。許さなくていいから、傍に居させてください。お願いします。嘘でも、同情でも、哀れみでも、なんでもいいから、傍に居させてください。

 そして、こんな私で、ごめんなさい。


§

 怒られた。「莉瑚ちゃんのことは好き。でも、心の準備がまだできてないだけ。好きになってくれる人に対して、そんなこと思わせたくないけど、でも、身体がついてこない。だから、待って。」

 その瑚子さんの言葉すら、信じられなくなってしまった。だって、私だよ?私。やっぱり、私から去るしかないんだ。そうだ、きっと。

§

 荷造りしてたら、抱き締められた。汗につられて、襲ってしまった。しょうがないじゃん。好きなんだもん。でも、好きだからこそ、我慢しなきゃいけないんだよな、本当は。本当は。

 でも、なんだか瑚子さんの様子がおかしかった。快楽のど真ん中でキスを求められたのは、はじめてだ。たぶん。いや、たぶん、勘違いだ。


§

 瑚子さん、いなくなっちゃった。いなくなって、1ヶ月。その間、私はずっと、布団に篭っていた。記憶を振り返り、快楽を思い出したり、虚しくなったり。あの優しさは何だったのかと考えたり。自分の人生の意味を考えたり。

 でも、今回は切腹しようとか、そういうことは一切考えなかった。私が死んでも、瑚子さんを困らせるだけだってわかったから。

 そう言えば、私の元の部屋、今どうなってるんだろう。まあ、大した物は置いてないから、いいけど。いや、望帆とかが漁ってたら、嫌だな。特に、あのインチキ占い師とか……。ああ、嫌だ嫌だ。
 でも、私は生きよう。と思ったけど、どうしようかなぁ。お金は何故か置いてあるし。まあ、買い物でもしよう。

§

 「ああ、その曲作ったの、俺なんだよね。」と、悪いタイミングでアイツと遭遇した。リハビリがてら、歌いながら歩いていた時のこと。記憶喪失中の私がよく聴いていた曲。
 「何の用?」と返して、「いや、俺の曲が君に気に入ってもらえて嬉しいなと思って」と。私は嬉しくない。なんでアンタが、と思った時に、「瑚子さんが今どうしてるか、気になる?」と訊かれた。
 
 私は走り去った。

§

 そういえば、瑚子さんの写真とか、無いんだよなぁ。撮るチャンス、あったはずなんだけど……。あーあ。服とか下着とかはたくさんある。お気に入りをいくつか選んで、そのまま置いて行ったんだろうな。匂いだけでも、私は少し満足できてしまった。ああ、欲って、こんなに少なくなるんだな。
 いや、麻痺しているだけだ。あーあ。

 それにしても、1ヶ月も文章を書かなかったわけだけど、書くって、なんというか、自分を呪う行為のような気がする。そういえば、アイツも「言葉の魔力」の話をしていたなぁ。ああ、嫌だ。知らないもん、そんなもの。
 
 
 
 
 

不幸な金持ちは、どうすればいいのか

 「親などから莫大な財産を受け継いだから金持ちになったが、何をやっていいかわからない」という類の人だったら、「とりあえず、私のライフコーチングを受けて」で話が済む。7時間と108万円を出していただければ、色々と面白いものを紹介する(別に、5時間でもいいのだが)。
 この世には、「どんなに金を使っても研究が終わらないもの」が数多く存在する。その中で、面白いと思えるものを始めればいい。「頭をフルに使う」という体験も、していただく。「頭をフルに使う」感覚さえ掴んでいただければ、金の心配をしなくていいなら、それでもう、一生楽しいことが確定する。

 更に言えば、私はたくさん、「金が余っていたらやってみたいこと」を抱えていたりする。それを「提示する」ことができる。その中で面白そうなものがあれば、やってみてほしい。


 ということで、その手の人は、とりあえず私にメールを送ってみてほしい。何を書いていいかわからないなら、「私にとっての幸せとは何か(そして、何故、実現していないのか)」か、「私が何故、退屈なのか」、「私が抱える悩み」について、それらのどれかを題名にして、考えて、書いて送ってみてほしい。もちろん、全部書いていただいても構わない。
 「金を持ってるからと言って、お前なんぞに金を出したくない」ということであれば、別に金は出さなくても構わない。

painlessmental@gmail.com

 その人たちはそれで良いとして……。「自分で金を稼ぎまくっているが、幸せだと感じられない人」について。

 自己嫌悪を原動力として、金を稼ぎまくる人がいる。「金を持っていない自分、金を稼げていない自分」には、価値を感じられない。だから、稼いでいる。そんなところだろうか。様々な「幸せを実感していなそうな」金持ちを観察して出した結論(のうちの1つ)である。

 そして、そのような人の場合、金を稼いだからといって自己嫌悪が消えるわけではない。また稼がないと、自己嫌悪が出てくるのだ。あるいは、稼いでも、「これではまだ足りない」と、更に稼ぐことになるのかもしれない。原因を根本的に解決していないから、である。だからまあ、酒に酔った時に酷いことになるのだが……(嗚呼、何度、みっともない酔いどれ金持ちを見てきたことか!)。

 そういう人は、どうすればいいか。「社会とは全く関係無い価値観」を何かひとつ獲得すればいい。「反社会的」ではなく、「社会とは全く関係無い」である。「この社会がどうなろうが(このままの状態を維持しようが、大きく変化しようが)できること」を考えればいい。
 できれば、あなた以外の全ての物質が消滅全て消滅してしまってもできることの方が良いだろう(ただまあ、「あなたが生存し続ける」ということは当然必要なのだが(身体を持たない存在として続行できる可能性もあるが))。

 その中のひとつに、哲学がある。「学問として」できなくても、「思考というものを楽しむための道具として」やることはできる。そして、哲学であれば、あなたが思考さえできれば、できる。これほど良いものはなかろう。
 

・「私が何故、この文字を読めているのか」
・「社会は何のために存在する(していた)のか」
・「どこからどこまでを人間と定義するのか、定義しうるのか」
・「私(この記事を読んでいるあなたのこと)とは、どこからどこまでを指すのか」
・「どこからどこまでが言語なのか」
・「脳と心は、どこまで別物で、どこまで同じなのか」
・「本当に、川崎・G・悠太は実在あるいは存在するのか(していたのか)」
・「人間は何故、自我意識を持っているのか(持っていないとどのように不都合なのか)」
・「他の人は、色を同じように認識しているのだろうか」
・「地球外出身者に「君は目(腕の場合も)が2つしか無いの?かわいそうに。不便じゃないの?」と言われた時に、どう説明するか」
・「なんで私は、ここまで金を稼いできたのだろう?何が、そうさせたのだろう?」

 などなど、ずっと考えていられるテーマは多数存在する(途中で書くのが面倒になっただけで、他にもいくらでもあるし、その場で作ることもできる。そして、哲学史の中で登場していないものも、ここに書いてある)。この中に、あなたが興味を持つテーマはあるだろうか?

 あったとしても無かったとしても、私のライフコーチングを受けてくれれば、あなたが気に入るテーマを提示できるし、「あとはひとりでやってね」と言えるところまで一緒にやる。
 テーマの発掘には、「あなたが不満に感じていること」を使う。不満を深掘りあるいは、一旦バラバラにしていくと、考えていて楽しいテーマが見付かる。
 ということで、ぜひ、受けてほしい。とりあえず、5~7時間くらいを想定。金持ってるなら、100万円以上くれるとありがたい(ちょっと、そのくらいの金が必要な事情ができたもので……。その金が無いと、記事書いたりTwitterやったりできなくなりそうなんです(私からの情報発信が無いと困る人がどれくらいいるかは知らんけど)。っていうか、金持ってる人向きの記事なので、よっぽどのケチでないなら100万円ください。いや、マジで。まあ、メールはとりあえず無料です。今の所。)。

申し込み用メールアドレス
painlessmental@gmail.com

 と、ここまで書いて、「「自己嫌悪のことを放置している」というツッコミを頂きそうだな」と思ったため、追記。

 「金を稼ぎまくる人特有の自己嫌悪」を取り除いた場合、「ビジネスは遊びとして純粋に楽しい」と思えない場合、「金を稼ぐのが下手になる」か、「ビジネスなんざやってられん」となりかねない。この記事だけでなってる人もいるかもしれないが……。

 というのも、ビジネスが上手い人というのは、「人を喜ばせる時に自分の価値を感じることができる人」か、「人に何かを自慢する時に自分の価値を感じることができる人」、「社会的地位の高い自分に価値を感じる人」なのだ(他にも候補はある)。
 別にそれ自体は問題無いのだが、「自分だけを喜ばせる時に幸せを感じない人」、「素の自分そのものに価値を全く見出だせない人」の場合が困るのだ。困るというよりかは、それそのものが、自己嫌悪の一部である。

 「成果を出した場合にだけ褒められる」といったような環境で育つとそうなりがちなのだろうなと想像している(可能性の1つでしか無いが)。

 そして、無能な自分になってしまった際に、その自分を受け入れられるか。年老いたら、結構な確率で、無能な存在になるわけだが、耐えられるか。この点において、「金を稼ぐのが下手になるかもしれない」というリスクを提示しつつ(そのリスクが実現した場合には、少なくとも「幸せな貧乏」にはなれるから安心してほしい)、「不幸な金持ち」には私のコーチングをオススメしている。

 
 メールアドレス
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