「おいお前!ちょっと肩揉め!」
頼むから、ドアを蹴飛ばさないでほしいのだが。まあ、うちの女将はそういう人なのだ。あれ?そういえば。
「男に触られるの、嫌なんじゃなかったの?」
「うーん、そうなんだけどな。そうなんだけど……。」
あれ?うちの料理以外は完璧な女将が困っておるぞ。って、料理が苦手な女将ってなんだよ。と、後に思うのだが、それはどうでもいいとして。
「女が私の肩を揉むとだな、その……。気付いたら行為が始まってしまうんだ……。」
あれ、こんな顔するんだ、この人。
「あら、それは大変ですわね。わたくしめがマッサージチェアーでも買ってきましょうか?女将さん。」などと、僕はおかしな言葉遣いでからかった。のだが。
「待てるか!」
はぁ。
「ってことでほら、早く早く。」女将が急かす。
「いや、僕に頼むのって、どうなのよ。」
僕が今こうして書いているこの伝記だかなんだかよくわからないこの文章を読んでいて、なおかつ、僕らの奇妙な関係性についてあまり知らない人に説明しておこう。誰が読んでるんだか知らんけど。
うちの女将はたくさんの恋人と関係を結んでいる。その恋人とやらは全員女だ。あるいは、身体は女で中身が男、という人もいるかもしれない。ただ、女将曰く、「身体の方に快楽さえ与えれば、結局は身体に引っ張られる」とのことだ。よくわからん。
で、僕は男の身体で中身も男(たぶん)なのだが、「家の中に女がいると仕事にならんから」ということで、僕だけが同居している。つまるところ、僕はある種のお手伝いさんなのである。家事全般と、女将の無茶振りに応じるということをしていれば金がもらえたりする。僕の人生は安泰である。
さて、今度は困った。女将に触ることはほぼ無いというか、事故でしか無かったのだ。そう、本当に。というかなんだろう。よく見るとうちの女将は美人なのだ。万が一間違いを犯したら、僕はここから追い出される。ゲーム・オーバーだ。
やれやれ、僕は激安葉巻に火を点けた。
と書いたところで女将が部屋に入ってきた。「一人で吸うな」とのことである。火を点けてから、渡した。この伝記だかなんだかわからんやつの存在はバレなかった。ちなみに、女将の葉巻に火を点けるのも僕の役目である。それにしても、部屋の密閉性はもうちょい上がらないのだろうか。
さて、女将の肩揉みについては、肘でやった。揉むという行為からは遠く離れているが、肩揉みという名称にしておこう。他になんと呼ぶのかわからないからだ。
「おいお前。まーた変なこと考えてただろ。安心しろ、お前が変なことをしようとしたら、その場で失神させるから。これで安心だろ?」
何が安心なのかはなんとなくわからないが、女将が言うならそうなんだろうと思わせる発言である。
「そちらはそれでいいの?」と、僕が尋ねる。
「もちろん。困ってるのは、かわいい乙女たちに手荒なことをしたくないというだけで。お前ならまあ、骨折っても別に問題無いだろうし。食事は困るけど、そうなったらずっと外食するからいい。」
うーむ、頼り甲斐のある女将である。しかし、僕の分の食事は確保されていないかのような発言である。まあ、しょうがないか。
と、こんな日々を過ごしている。もしかしたら、この生活の風景を見て、「羨ましい」と思う人もいるだろう。もしかしたら、この伝記を覗き見て、ブログとかいうのに転載している輩もいるかもしれない。羨ましがっているのは、たぶんそいつだろう。そいつはきっと、惨めな暮らしをしているに違いない。
さて、人生とはいい加減なものだな、とも思う。出会ったキッカケも、僕が絵を不法投棄しようとしていた時のことだったし。うーん、やっぱ、訳わからんが、楽しければいいのだ。
「おーい、飯作れー。ハンバーグ食べたい。」と聞こえてきた。
やれやれ。今回はここで終わりだ。
頼むから、ドアを蹴飛ばさないでほしいのだが。まあ、うちの女将はそういう人なのだ。あれ?そういえば。
「男に触られるの、嫌なんじゃなかったの?」
「うーん、そうなんだけどな。そうなんだけど……。」
あれ?うちの料理以外は完璧な女将が困っておるぞ。って、料理が苦手な女将ってなんだよ。と、後に思うのだが、それはどうでもいいとして。
「女が私の肩を揉むとだな、その……。気付いたら行為が始まってしまうんだ……。」
あれ、こんな顔するんだ、この人。
「あら、それは大変ですわね。わたくしめがマッサージチェアーでも買ってきましょうか?女将さん。」などと、僕はおかしな言葉遣いでからかった。のだが。
「待てるか!」
はぁ。
「ってことでほら、早く早く。」女将が急かす。
「いや、僕に頼むのって、どうなのよ。」
僕が今こうして書いているこの伝記だかなんだかよくわからないこの文章を読んでいて、なおかつ、僕らの奇妙な関係性についてあまり知らない人に説明しておこう。誰が読んでるんだか知らんけど。
うちの女将はたくさんの恋人と関係を結んでいる。その恋人とやらは全員女だ。あるいは、身体は女で中身が男、という人もいるかもしれない。ただ、女将曰く、「身体の方に快楽さえ与えれば、結局は身体に引っ張られる」とのことだ。よくわからん。
で、僕は男の身体で中身も男(たぶん)なのだが、「家の中に女がいると仕事にならんから」ということで、僕だけが同居している。つまるところ、僕はある種のお手伝いさんなのである。家事全般と、女将の無茶振りに応じるということをしていれば金がもらえたりする。僕の人生は安泰である。
さて、今度は困った。女将に触ることはほぼ無いというか、事故でしか無かったのだ。そう、本当に。というかなんだろう。よく見るとうちの女将は美人なのだ。万が一間違いを犯したら、僕はここから追い出される。ゲーム・オーバーだ。
やれやれ、僕は激安葉巻に火を点けた。
と書いたところで女将が部屋に入ってきた。「一人で吸うな」とのことである。火を点けてから、渡した。この伝記だかなんだかわからんやつの存在はバレなかった。ちなみに、女将の葉巻に火を点けるのも僕の役目である。それにしても、部屋の密閉性はもうちょい上がらないのだろうか。
さて、女将の肩揉みについては、肘でやった。揉むという行為からは遠く離れているが、肩揉みという名称にしておこう。他になんと呼ぶのかわからないからだ。
「おいお前。まーた変なこと考えてただろ。安心しろ、お前が変なことをしようとしたら、その場で失神させるから。これで安心だろ?」
何が安心なのかはなんとなくわからないが、女将が言うならそうなんだろうと思わせる発言である。
「そちらはそれでいいの?」と、僕が尋ねる。
「もちろん。困ってるのは、かわいい乙女たちに手荒なことをしたくないというだけで。お前ならまあ、骨折っても別に問題無いだろうし。食事は困るけど、そうなったらずっと外食するからいい。」
うーむ、頼り甲斐のある女将である。しかし、僕の分の食事は確保されていないかのような発言である。まあ、しょうがないか。
と、こんな日々を過ごしている。もしかしたら、この生活の風景を見て、「羨ましい」と思う人もいるだろう。もしかしたら、この伝記を覗き見て、ブログとかいうのに転載している輩もいるかもしれない。羨ましがっているのは、たぶんそいつだろう。そいつはきっと、惨めな暮らしをしているに違いない。
さて、人生とはいい加減なものだな、とも思う。出会ったキッカケも、僕が絵を不法投棄しようとしていた時のことだったし。うーん、やっぱ、訳わからんが、楽しければいいのだ。
「おーい、飯作れー。ハンバーグ食べたい。」と聞こえてきた。
やれやれ。今回はここで終わりだ。